MADE IN JAPANを謳えば台湾市場で売れる!
こういった認識を持っているマーケティング担当者は数多くいるかもしれません
色々な方面からお話しを伺っていると台湾市場を甘く見ている担当者の方が多い事に気付かされます。
ハッキリお伝えさせて頂くと、台湾市場において「MADE IN JAPAN」というレッテル一つだけで商品・サービスは売れません。必ず苦戦します。
本日はなぜMADE IN JAPANだけで台湾市場では通用しないかを、過去の案件事例を振り返ってまとめた考察を書いて行きたいと思います。
目次
MADA IN JAPANはどう見られているか?
「MADE IN JAPANと言う点を強調して台湾で売り出していきたい」と、ご相談を頂く際に一番良く言われます。
正直、今の台湾市場においては少し自信過剰な認識だという事から説明を始めています。
では実際の認識はどうなのかというと…
日本人:メイドインジャパン=品質が良いから売れるに違いない!
台湾人:メイドインジャパン=基本的に高いから他の商品と比較して見てから判断
というように認識の違いがあります。
これは台湾市場だけに限らず、グローバル市場においても同じような事が言えると考えています。
なぜMADE IN JAPANだけでは戦えないのか?
多くの案件に携わっている中で、なぜメイドインジャパンが通用しないのか?
いくつかの理由が見えてきました。
- 競合を含めた商品の選択肢が多いから
- どこの企業も同じようにPRするから
- メイドインジャパンの認識の変化
順に追って説明していきます。
1.競合を含めた商品の選択肢が多いから
情報と商品が氾濫する現代。今では類似した商品やサービスも溢れています。それは日本国土からの立地の近い台湾では顕著になります。
生活スタイルの変化に伴い、世代毎のニーズも違えばアプローチ方法も当然違ってきます。
ただ単純にメイドインジャパンで品質が良いから買ってね!というアプローチのみでは台湾人消費者の心には刺さりません。
選ばれぬまま、その他商品同様にただ意識から流れてしまいます。
2.どこの企業も同じようにPRするから
自分が思いつくことは他人も思いつく事と認識しなければなりません。
なぜなら競合他社の類似商品・サービスも同様の謳い文句でプロモーションするからです。
台湾の街を見て回れば理解できるのですが、溢れんばかりのMADE IN JAPANの文字がこれでもかと目に入ってきます。
むしろ目に入らない日はないと言っても良いでしょう。
海外におけるメイドインジャパンとは、買う要因にはなっても、買う絶対理由にはなりません。
3.メイドインジャパンの認識の変化
過去のメイドインジャパンは間違いなく絶大な影響力を持っていたのは確かです。日本の高度経済成長期はメイドインジャパンを軸に支えられていた時代でもありました。
しかし、競争の激化やコスト削減の為に台湾や中国、韓国等に物の生産拠点が移ります。そこで起こりえるのは大小の規模関わらず技術やノウハウの流出。また、時間の経過とともに発展途上国も日本と同様に成長します。
結果として起こる事は、他国の商品でもメイドインジャパンに近いモノが流通するという事。
中華圏では日本製だけが良いモノだとは限らないという認識を持っているという事です。
低価格でそこそこ品質の良いモノが誕生すれば、高くて凄く良いモノを買う理由は薄くなりますよね。スマートフォンなどが良い例でしょう
※分野違いの余談ですが、特に日本の半導体や液晶業界の技術流出が顕著で問題になったこともありましたね。
台湾でのマーケティング間違っていませんか?まずはご相談ください。
MADA IN JANAPに紛れたMADA IN ○○ の存在
特に台湾市場をはじめとする中華圏の文化としては模造品に悩まされる文化が日本よりも根強く、偽物や品質に関しての「懐疑心」が日本人よりも強いです。
必然的な事なのか、外資系企業の一つのマーケティング手法が生まれます。
日本以外の海外企業がOEM等で日本に製造を委託してMade in Japanと銘打ってブランディングするというケースが近年では非常に多くなりました。
メイドインジャパンの表記はあるけども、その実態は外資系企業という事。
メイドインジャパンの表記で購買の心理的ハードルは下がるので、それを上手く利用しているマーケティング手法ですね。
ここで認識して欲しいのは、メイドインジャパンは日本企業だけではなく外資企業でも利用されているという事。
この点を意識するだけで台湾におけるマーケティングの考え方が一気に変わるのではないでしょうか。
台湾マーケティング、郷に入れば郷に従え
メイドインジャパンの台湾における市場認知についてのお話しでした。
ここまで話してきましたが、それでもMADE IN JAPANにはまだまだ大きな魅力があります。
- 品質の安心感が得られる
- 似たような他国商品と比較した場合は選ばれやすい
- 似た商品よりも「少しだけ」高額でも購入されるやすい
メイドインジャパンがダメなわけではなく、メイドインジャパンだけでは台湾市場では戦えないという結論です。
日本市場での成功体験をそのまま台湾市場にコンバートして実施したとしても多くのケースで失敗します。
一番大切な事は、なぜその商品・サービスなのか?選ばれる理由を明確にすること。に尽きるかと思います。
台湾人ターゲット輪郭をはっきりさせ、販売戦略を建てる。
これは日本だけでなく台湾のマーケティングでも同じ事です。
あなたの商品・サービスを買う理由はなんですか?
今一度自身に問い掛けてみましょう。
過去に培ったノウハウや戦略を弊社では蓄えております。台湾ネイティブによる台湾市場の為の台湾マーケティングを提供致します。